【牧羊一念】魂を愛する
お母さんは、イエスを信じるという理由で、お父さんから34年間迫害を受けてきました。けれども、お父さんの悪口を言ったり憎んだりするのを見たことがありませんでした。私の兄弟たちにも「お父さんを憎んだり恨んだりしてはいけない。お父さんは知らないから迫害するのだ。お父さんがイエスを信じて救われるよう切に祈りなさい。地獄がどれだけ苦しい所か。私たちだけ天国に入って、お父さんが地獄に入っては絶対いけないから」と言いました。
幼い私には迫害するお父さんの魂を哀れに思うお母さんの心が理解できませんでした。そして、イエスを信じるゆえに夜昼なしにお母さんを殴り、私たちを苦しめるお父さんを愛することができませんでした。しかし、お母さんは数十年間続いてきた酷い迫害にも関わらず、お父さんを愛する思いは変わりませんでした。
イエスを信じる人における大事なことは、魂を愛することです。イエスがこの世に来られ十字架で血を流し死なれ私たちを地獄から救ってくださったその恵みは、私だけのためのものではなく私たち皆のためのものなのです。イエス·キリストから熱い愛を受けたなら、絶対に隣人に無関心ではいられません。誰も憎めないし憎んでもいけません。
あきらめないお母さんの祈りと愛により、ついにお父さんの魂が救われたのです。イエスを信じるとは全く思えなかったお父さんが、救い主イエスを受け入れ信仰生活を続けて天に召されました。お母さんの祈りと思いが伝わり、お父さんが救われたのです。
伝道は罪の中で滅びる魂に向かい神の愛を表す行動です。伝道は神が与えてくださる心から始まるもので、神が与えてくださる力によってできることです。
教会新聞<743号>の記事です。